解決までの流れと取り組みの実例
CASES
相続や遺言にまつわるお悩みは、ご家族様の状況や財産の内容によって異なります。遺産分割の合意形成が難しいケースや、不動産・銀行口座・株式が絡む複雑な手続きにも、相談者様目線で丁寧に向き合い、納得いただける解決策をご提案してまいりました。向日市・長岡京市・西京区を中心に、地域に根差した身近な法律家として一人ひとりに寄り添い、幅広い事例に対応してまいります。
相続人の調査から遺産分割、相続登記から売却まで
向日市役所の相談会に来られた方の事例です。
お父様が亡くなり、実家が空き家となりました。相続手続を進めたいと考えておられましたが、お父様には前妻との間にお子様がおられ、その方がどこに住んでいるのかわからず、手続を進めることができない状況でした。
不動産を相続するためには、相続人全員で遺産分割の話し合いを行う必要があります。相続人の一人と連絡が取れない場合、ご自身だけで手続を進めることは容易ではありません。
司法書士による相続人の調査と遺産分割調停
当事務所でご依頼をお受けし、戸籍謄本などの資料を収集・調査して、所在がわからなかった相続人の確認を進めました。
そのうえで、相続人間での遺産分割協議に代わる解決方法として、家庭裁判所への遺産分割調停の申立てを行いました。
申立先は遠方の家庭裁判所でしたが、相談者様の負担をできるだけ軽減できるよう、電話で調停に参加できるよう調整しました。
その結果、実家の不動産を相談者様が相続することで解決し、相続登記も無事に完了しました。
相続登記の完了後は、不動産の売却もサポート
相続登記が完了した後、空き家となっていた実家の売却を進めることになりました。
ところが、登記完了後には複数の不動産業者から連絡があり、どの業者に売却を依頼すればよいのか、判断に迷われる状況となりました。
そこで、当事務所から不動産業者をご紹介し、その業者を通じて売却を進めた結果、相談者様にもご納得いただける価格で売却することができました。
相続人がわからない、連絡が取れない場合もご相談ください
相続手続では、相続人の中に長年疎遠になっている方や、所在がわからない方がいることも珍しくありません。
そのような場合でも、戸籍などの資料から相続人を調査し、必要に応じて家庭裁判所の遺産分割調停を利用することで、解決への道筋をつけられることがあります。
当事務所では、相続登記だけでなく、相続人の調査や遺産分割調停に必要な書類の作成・申立ての支援など、相続に関するさまざまなご相談に対応しています。
また、相続した不動産の売却についても、必要に応じて不動産業者をご紹介するなど、相続手続の先にある問題も見据えてサポートいたします。
「相続人の所在がわからない」「空き家となった実家をどうすればよいかわからない」など、お困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。
相続放棄は借金があるときだけではありません
~疎遠だった叔父の市営住宅の片付けを求められた事例~
相続放棄というと、亡くなった方が多額の借金を残していた場合に利用する制度、というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかし、相続放棄を検討するのは、借金がある場合だけではありません。亡くなった方の財産や生活状況によっては、思いもよらない負担を求められることがあります。
今回は、疎遠だった叔父の市営住宅の片付けを求められた方からご相談いただいた事例をご紹介します。
突然、京都市から届いた手紙
ある日、相談者のもとに京都市から手紙が届きました。
その内容は、単身で暮らしていた叔父が亡くなり、市営住宅に家財道具などが残されたままになっているため、片付けてほしいというものでした。
相談者は、叔父とはほとんど付き合いがなく、どのような生活を送っていたのかも詳しく知りませんでした。
それにもかかわらず、突然、叔父が住んでいた市営住宅の片付けを求められたのです。
なぜ、自分がそのような負担をしなければならないのでしょうか。
相続が開始すると、相続人は原則として、亡くなった方の財産だけでなく、借金などの債務も引き継ぎます。また、亡くなった方が賃借していた住宅に残された家財道具などについても、相続人として対応を求められることがあります。
亡くなった方と親しい間柄であったかどうかにかかわらず、法律上の相続人であれば、相続に伴う問題に直面する可能性があるのです。
相続放棄という選択肢
相談者が当事務所に相談に来られたのは、叔父の死亡からまだ3か月が経過していない時期でした。
そこで、叔父の財産や負債の状況、ご親族の関係などを確認したうえで、相続放棄という方法をご提案しました。
相続放棄をすると、法律上、初めから相続人とならなかったものとみなされます。そのため、原則として、亡くなった方の財産や債務を相続によって引き継がずに済みます。
相続放棄には、原則として、自分が相続人となったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述する必要があります。
今回のケースでは、相談者が京都市から手紙を受け取り、叔父の死亡と市営住宅の片付けの問題を初めて知ったという事情がありました。
相続放棄の期間は、単純に亡くなった日から一律に3か月と決まるわけではありません。いつ相続の開始や自分が相続人となったことを知ったのかなど、具体的な事情によって判断されます。
そのため、今回も、いつから熟慮期間が進行するのかを含めて状況を確認し、相続放棄の手続きを進めることになりました。
お姉様も含めて相続放棄の手続きを
さらに事情を確認したところ、相談者にはお姉様が一人いらっしゃることが分かりました。
お姉様も相続人となる場合、相談者だけが相続放棄をしても、お姉様が相続人として残る可能性があります。
そこで、お姉様にも事情をご説明し、お二人それぞれについて相続放棄の手続きを行いました。
その後、家庭裁判所で相続放棄の申述が受理され、京都市に相続放棄申述受理証明書を提出することができました。
こうして、お二人は相続による負担を回避することができました。
疎遠な親族の相続で困ったときは、早めにご相談ください
相続放棄は、借金を引き継がないためだけの制度ではありません。
疎遠だった親族が亡くなり、次のような問題に直面することもあります。
- 市営住宅や賃貸住宅に残された家財道具の片付けを求められた
- 亡くなった親族に借金があるかどうか分からない
- ほとんど交流のなかった親族の相続人になったことを突然知らされた
- 亡くなった親族の財産や負債の状況が分からず、相続すべきか判断できない
このような場合には、相続放棄が解決方法の一つとなる可能性があります。
ただし、相続放棄をすれば、どのような場合でも家財道具の片付けなどに関する責任がすべてなくなるとは限りません。また、相続財産の管理について別途検討が必要になる場合もあります。
相続放棄には期限があり、財産の処分など、手続きの前に注意すべきこともあります。
思いがけず親族の相続に関わることになったときは、一人で抱え込まず、できるだけ早く司法書士などの専門家にご相談ください。
当事務所では、相続関係の確認から、戸籍などの必要書類の収集、家庭裁判所への相続放棄申述書の作成など、相続放棄に関する手続きをサポートしています。